RGBとCMYKについて
皆さんこんばんわ、FUMIEです!
早速ですが、下の画像をご覧下さい。
ついこの間まで描き、昨日色の修正をした金魚のイラストを、実際のインクジェット対応ハガキに印刷したものをスキャンしました。
左側が修正前、右が修正後です。
昨日修正した波模様の部分をご覧下さい。
修正前は、画面上だと綺麗なグラデーションがかかっていました。
下図は修正前のイラストです。
しかし実際に印刷してみると、グラデーションが潰れてわからなくなってしまっています。
それに対し右側の修正後のイラストは、画面上だとかなり明るい水色のグラデーションになりましたが、実際に印刷してみると、程よく綺麗な青になりました。
下図は修正後のイラストです。
どうですか?色がかなり違うと思いませんか?
実はこの色の違いは、ExcelやWord、PowerPointといったオフィスソフトと、プリンター上の色の表現方法が違うために、起こっているのです。
①ライトの発光を利用して色を再現する『RGB』
会社の事務仕事に限らず、年賀状、家計簿、カレンダー作り等、色んな所で使用されるオフィスソフト。このブログの講座では、このオフィスソフト…主にエクセル上での作業においては、何度か色の設定画面を使用して、色を設定した事がありました。
この色の設定画面における、『カラーモデル』の所を見ると、『RGB』となっています。
このRGBというのは、簡単に言ってしまえば、テレビやスマートフォン、パソコンなどのデジタル画面で使用されており、画面のライトの発光を利用して色を表現している、色の表現方法の1つです。
専門的な話をすると、RGBとは、赤・緑・青の3つの原色を混合する、加法混合と呼ばれる色の再現方法です。
このRGBは、デジタルデータで色を設定する際、それぞれの色に0から255までの数字を使用して色を指定しますが、この3つをすべて255で混合すると、白色になります。
ですが、このRGBは先程言ったとおり、『テレビやスマートフォン、パソコンなどのデジタル画面で使用される、色の再現方法』ですので、紙に印刷する為のものではないのです。
②インクによる光の吸収を利用して色を表現する『CMYK』
RGBに対してよく使われる色の再現方法に、CMYKというものがあります。
このCMYKとは、主に雑誌、Tシャツなどに描かれたロゴやイラスト、新聞等の広告で使用される、色の再現方法の1つです。
専門的な話をすると、Cはシアン(Cyan)、Mはマゼンタ(Magenta)、Yはイエロー(Yellow)という、3色の名前の頭文字と、Kはキー・プレート(Key Plate)という、輪郭や細部を表現するための版(プレート)の頭文字を取ったのが、名前の由来です。
この再現方法は、各色を0%~100%までの間で指定する事で、様々な色を表現します。ただこの表現方法には、『CMYの3色を最高まで混ぜると黒になる』という理論があり、これを減法混合と呼ぶのですが、この3色だけでは、皆さんもよく知っている、あの黒色を表現することは出来なくて、せいぜいちょっと茶色っぽい黒、が限界なのです。
そこで、ちゃんとした黒を表現するために、ブラック(Black)が追加されました。
印刷所やご家庭で使用するプリンターにおいては、このCMYKによって色が再現されています。
③色の表現方法が違う!
さて、ここまでお話しすれば、一番最初にお話しした、『画面上の色と実際に印刷した色が違う』事について、大体の予想が出来るのではないかと思います。
単純に、『色の表現方法が違う』からです。
画面上で設定した色は、デジタル画面の光を利用して色を再現するためのRGB方式です。
しかし、プリンターはインクによる光の吸収を利用した色の再現方法、CMYKが一般的です。
ですので、実際にデータを紙に印刷すると、プリンターは、設定されたRGBの色と似た色をCMYKで印刷してくれますが、色の表現が『発光』から『光の吸収』に変わるわけですから、私達の目で見ると、画面上で設定した色よりも濃いものに変わってしまうのです。
④じゃあ印刷する際に思い通りの色にするには、どうすればいいの?
作成したデータを、ただ画面上で見るだけの用途で使用するなら、画面上で設定した色のままで良いのですが、いざ印刷ってなると、思い通りの色にならないと困ります。
私が仕事している中であったのが、エクセルの画面上で設定した緑色のセルの中に、数字を黒で打ち込みました。
画面上では、数字がはっきりと読めていました。
ところが、印刷してみると、背景の緑色が濃くなってしまい、中の文字が見えにくくなってしまっていたのです。
会社で仕事する上でも、家で何かを作る上でも、データをカラーで印刷するなんて日常茶飯事。
どうしたら思い通りの色を表現できるのか?
そこでポイントとなるのが、そのデータを使用するのが、『デジタル上』が主なのか、『紙媒体』が主なのかということです。
デジタル上で使用するために作っているなら、仮に印刷で多少色が濃くなっても、それは仕方ありません。
デジタル画面で見ることを想定して作っているのですから。
ところがそのデータを、毎週あるいは毎月、紙に印刷しなきゃいけない場合。
そしてその印刷物を、偉い人が見るとしたら?(会社でよくありますね。)
色が濃くて文字が見づらい、って修正を言い渡されるかもしれません。
あるいは、自分で気づいて修正してまた印刷…ってなるかもしれません。
ただでさえ単価が高いカラー印刷です。何十枚もの印刷ともなれば、それだけで会社の経費、あるいは自分のお財布が痛みます。
ですので、紙媒体を主とするなら、CMYKで色を設定しなくてはなりません。
でも、オフィスソフトではCMYKの色設定はできません。
ではどうするのかというと、CMYKの色を、RGBに変換する必要があります。
この変換作業を、無料で、しかも簡単に出来ちゃうサイトがあります。
先日の修正作業も、私がこのサイトを使用して、CMYKをRGBに変換し、皆さんには変換後の色で修正して頂きました。
画面上で見ればかなり違う色ですが、印刷すれば思い通りの色に近い色になったのではないかと思います。
このCMYKとRGBについては、一方の表現方法の色が、紙の上でわかる本…いわゆるカラーチャートや色辞典が手元にあると、イラストを描いたり資料を作成する上で、とても役に立ちます。
値段は3,000円~4,000円くらいと、少々高めですが、これからの時代で色が新たに追加される、なんてことはなく、ずっと使えるものですので、お手元に1冊あってもいいのではないかな、と思います。
とはいえ、最も良い方法は、オフィスソフトがCMYKに対応してくれる事なのですが。
今のプリンタはCMYKが主流ですし、会社でも家庭でもデータをカラー印刷なんて当たり前の時代です。
何故ここだけズレてるのかなぁ、といつも思います。
オフィスソフト自体は非常に便利なのに、そこだけ残念です。
それでは、今日のブログはここまでです。
また明日、お会い致しましょう!